< 指向性


〜8、「創造」


何か目的を持って意図的に計画し、用意し、準備して、
条件を整えて、あらかじめ計画していた通りの結果になるように、
仕組む。さらに、途中で何度も介入して、変化の方向を修正して
いって最終的に、意図していた結果に導く。

それは目的意識的な人間の活動がそうさせるのである。
ところが、人間の意思というのが介入しない、まったくの、
自然のままの状態でも、そうしたことが起こる。
たまたま偶然が重なっただけなのであるが、似たようなことが起こる。

例えば、試験管の中で短縮されて行われることが、
自然界で、数億年かけて行われる場合である。
しかし、この地球のプロセス自体もまた、
試験管の中と同じではないか。
地球自体が巨大な試験管ではないか。

何か暗黙の、意識せざる意思が介入していない、
などとだれも断言出来ないのでないか。
自然の偶然の重なり自体が、神ないし自己意識の、
無意識の意図せざる意思であると、言えないだろうか。
人間が自分を「意識している」ということ自体が、
何かを志向し目指していると言えないだろうか。
予測も、意図もせざる無意識の必然として。


戻る。               続く。