< 「未知の記憶」


〜1-B、場面。


4: 直感・暗示・象徴などとして見えてくる場合。あるいは、感覚の無意識の本能や直感、予感や予兆(よちょう)として感じられる場合。


いつかどこかで、これと似たような記憶がぼやけて消えたままで残っている。途切れて、飛び飛びになった、何かの断片だけの記憶。それが、何かの例えや類推、連想としてしか思いだせないもの。あるいは、それがどこかで何かしらの記憶とリンク(関連)している、と思えてならない場合。

そうしたことがどうしても思い出せず、色やカタチや言葉や出来事などの、本来のそれとは何の関係もない、間接的な暗示や符号、印象や象徴としてしか思い出せない場合である。それが出来事の事実から切断されて、色とかカタチとかの抽象化された順序の何らかの符号や痕跡としてしか残っていない場合である。

それが記憶の中での意味不明な直感としてしか思いだせないのである。記憶が欠落した何かの象徴や暗示だけの世界なのである。現実から遊離し切断された色やカタチや順序や、変化のありさまといったものが、バラバラになったカケラの途切れ途切れになった、壊れた断片だけで自分自身の無意識の世界で何かを呼び覚まそうとしているのである。


戻る。              続く。