< 春
〜4、「舞台」
そうした意味で日本列島とは、私たちが生きている現実の世界であって、いわば、舞台の上であり、その舞台の上の住人が私たちなのである。 だから、このような情景の中へ精神がさ迷い出るというのは、仕方のないことであって、 精神は、もともとそのように出来ている、ないし、そうせざるを得ないのである。そうやって自分を維持し保存して来たのである。 そうしたことが、何かに導かれるという意味であり、そして同時にまた、もともと、自分の中にそれを求める何かがあったのである。見えない潜在的な可能性として。それが、印象とか予感といったもので、何かに暗示され、象徴されて見えてくるのである。 そうした意味で、これは運命的というか、必然なのである。まことに仕方なく、そうするしかなく、そうなるしかないものだったのである。 |