< 「コトバ」


〜2、共通性。


他にも、例えば(夜が)明ける。(穴を)空ける。
(ドアを)開ける。などはみな同じ「あける」と発音されるが、
それぞれに少し意味が違う。しかしまた、それと同時に、
同じことを言っているようにも思えて来るのである。
実際に使われている場面ではなくて、そうしたものの感じ方や、
感覚的な受け止め方という意味で、そうなのである。
現実の様々な場面を無視して、それぞれに共通する
感じ方として、そうなのである。それは観念の世界なのである。

もっと根源的な感じ方として漠然としてではあるが、
何か共通する同じことを言っているように思えて来るのである。
どのように考えても、そのように思えてくる。そうでないと、
同じ言葉の発音で表現される、様々な言葉の意味の
漠然とした共通性といったものが、説明できないからである。

やはり、始めにコトバがあって、様々な広い意味を持っていたのが、
漢字で表記されることによって、その意味といったものが
様々に分かれて、限定されていったのだろうと思えるのである。


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