「めざめ」


〜4、生成。


それまでの、自己の拠りどころであったところの、信じるもの、願い祈るもの、祭儀や信仰、習わしやシキタリをを捨てて、新たな異質・異種の信仰ないし信条を基に社会の再結合を果たして行くのである。新たな信仰ないし自分たちが「信じるもの」、そしてそれに伴う異質な新しい感じ方や習俗、習慣、常識や道徳といったものが形成されて行く。当然、文明のシステム自体も、それまでとは異質な別のもの、異質な原理や動機で動いているし、機能もしているのである。

こういうことは歴史上いくらでもある、むしろ当たり前の通常の出来事である。混沌としてバラバラで自分勝手なだけの、様々な異民族の寄せ集めから新たな新民族が形成される、といったことがそうなのである。いつでもどこでも、こうしたことが新たな民族が形成さる舞台となっているのである。古代ギリシャやローマがそうだったし、近世の国民国家の成立がそうである。またアメリア大陸における新しい文明のシステムの移植ないし形成がそうなのである。あるいはまた、中世イタリアのルネッサンスがそうであった。

もどる。              つづく。