ヨーロッパのの起源(古代ギリシャ) p17


「断絶」



ギリシャの自然環境が、ギリシャ人をして、
このような多様性と柔軟性に富んだ、
自由な精神を形成する方向性と志向性を与え、
そしてまた、制約し条件づけたとも言えるのであって、
むしろ、このような自然条件から、このような精神が
生み出されて来た、ないし、形成されざるを得なかった、
と見るべきである。そうするしかなかったのである。
民族の掃き溜め、地理的条件の多様性が、
それの条件であり前提となったのである。

侵入してきた民族は、
自己の以前の、生存のシステムを捨てざるを得ず、
さらにまた周囲との対抗関係上、
自己の生存のシステムの、変化と断絶を強いられる。
そして現実に、それが出来る状態にある。

これら、はき溜めの民族は、もはや以前の
生活様式へ戻ることが出来ない状態にある。
だからそれを、自分で見つけ、さがし続けて行くしか
ないのである。それも、周囲との地政的関係上、
変化を固定させるということが許されない。
変化し続けることが、自らの存続の条件となる。
そしてまた、そうしたことがギリシャの成立の、
自然条件だったのである。

(*東アジアでは反対に、「変化が無い」ということが、
自らの存続の絶対条件となっている。)

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