ヨーロッパのの起源(古代ギリシャ) p21


「再発見」



精神と自然が一体となったところに「美」がある。とすると、その境界線上で精神のすがたといったものが、自然の造形のなかに発見される。それは、みずからの精神の裂け目からひびいてくる、コダマし、取り憑ついては交流し合う、自らの内部で反射して映し出された、自己の精神のすがたなのである。

なぜなら、それは人間にとって興味のあるもの、意味のあるものだけが、自然のなかから見いだされるからである。だから、自然というのが再発見される。同じものが、それまでとはまったく別のものとして捉(とら)えられて、見えても来る。

それは人間精神が、自らの内部で映し出した、自分自身の精神の姿(すがた)なのである。それが、外の世界に反射して映しだされ、そして発見され、何か別の、新しい異質なものとして見えてくるのである。

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