ヨーロッパのの起源(古代ギリシャ)ー可能性 p3


「条件」




だから、ゼロから始めなければならず、どんなことにでも挑戦することが出来たし、挑戦してゆくしかなかったのである。れ以外に、生きて行く方法がなかったのである。こうしたことが、ギリシャの人間が自由で、素直(すなお)になり得た理由なのである。自分に対して。そしてまた自然に対しても。人間と自然が素直(すなお)に交流しあい、ギリシャの自然が導くままに、みずからを形成したのである。

ギリシャの自然条件というのが人間にとってわかりやすく、合理に適っていて、また、穏やかで親しみやすい環境で、人間が作用しやすい自然条件だったのである。人間が何か新しい、それまでとは異質な生活様式、システムとライフスタイルを形成しやすい環境だったのである。

ただし、もちろんこの場合、新しい生存の様式とシステムというのは、それまでとは異質な新たな生産技術に照応するという意味での、親しみやすさや合理性なのであるが・・・。言い換えると、時と場合、歴史と地域によって、そしてまた民族によって、そうした「合理性」というのは錯綜していて、異なってくるということなのでる。潜在的な可能性と、それを実現する実力とは全然別の世界の話なのである。どんなに素晴らしい環境でも、本人がそれを望まないとか、それを活かして利用する技術がなければ、あまり意味がないのである。

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