index < 日誌 < 2018 < 10-「宿命」


 
4、肉体の記憶。



それは、自分自身の意識が届くことのない、肉体自身の生理作用の世界であって、自意識から切り離されて独立した、感覚そのものの世界を見ているのである。

それは自分のものであって、と同時に自分のものでないもの。つまり、祖先からから受け継がれて来たもので、自分自身の肉体のカタチや仕組み、そして生理作用として積み重ねられ、反復継続し、常態化し最適化されて来たものである。

生き方とか感じ方というものではない。より根源的で原始的なものである。自分の肉体の物理的な形や仕組み、そしてそれが機能する生理の世界を見ているのである。

いわば、忘れられた祖先の記憶の世界を見ているのである。自己の肉体として定着し、化石化し、現実のカタチと化した祖先の記憶を見ている。そして、それはまた同時に自分自身の、失われた記憶の世界を見ているのである。


 戻る。              続く。



index < 日誌 < 2018 <