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| 日本では、異教徒を排除しないというのは大きな誤解である。大陸よりも一層徹底して排除している。というのは、それ以前に「異教徒・異民族」というのが日本においては今も昔も、ほとんど存在しないからである。 事実、中世のキリシタンはハリツケにされた上、根絶やしされている。要は、異教徒も異民族も存在する余地がない、存在したためしがないということである。日本という歴史的・地理的空間の現実がそれを許さないのである。 異教徒であろうと異民族であろうと、そんなことには何の関係もなく、それ以前に「日本人」であることを求められるのである。ただこれだけが唯一の侵すべからずの絶対的条件となっているのである。ただこれだけであって、それ以外はどうでもよいことなのである。 まさにこれが日本という歴史的・空間的現実なのであり、ここで生きる者にとっての存在の条件となっているのである。そして、これさえクリアして乗り越えることができたなら、日本という社会は大陸と比べると驚くほど寛容であり穏便かつ自由で親し気な国なのである。 |
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