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このような上辺だけの宗教は、ただ形式的な体裁や表面上の飾りに過ぎず、こうした外面上の宗教よりも、自己の内面としての心の中は、より実践的・実際的で現実的なのである。意志的な考えというよりも、直接的で直感的、そして本能的な情緒の世界が支配しているのである。 集団の雰囲気とか「空気」、自分たちという「和」と協調性を求められるのである。狭い日本の中で、互いに争うというのを好まないのである。何もかもウヤムヤで曖昧にしたままで丸くおさめてしまうのである。 他人の心の中まで立ち入らないのである。そんなことよりも、立ち入らないということが、お互いを、そして周りのみんなもうまく納めてしまうのである。そうやって日々の日常というのが営まれているのである。 宗教の違い以前に、だれもがみなこの日本という地を生きる仲間なのである。宗教以前に人間であり、そして人間とは日本人のことなのである。だからまた、違う宗教を同じ人間が同時に信仰したりすることが出来るのである。しかし、こうした信仰がはたして宗教といえるかどうかは実に疑わしいのであるが・・・。 |
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