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2、印象。



カタチというのは、ものというのを同じ基準で、つまり、明るさ暗さの線のみで表現している。そして、それぞれが持つ、異なる質といったものを無視して、表面上の目に見えるカタチだけで表現しているのである。だから、内部の個性といったものは無視するしかないのである。しかしまた、そうしてのみ、カタチとして見えてくるのであって、それは同時に、内部の個性といったものが、見えることがないということである。

個性としての内面を無視することによってのみ、カタチになるのであって、カタチとして見えてくるのである。異なる他のもの同士が比較可能なカタチになるのである。言わば、昔の白黒映画のようなものである。灰色の記憶世界である。情報量を極端に圧縮し省力化して、そして抽象化しているのである。

抽象化された記憶の世界の中で、自分と現実との間にカスミのようなものが漂っている。そしてそれが現実から「色」というのを消し去って、見えにくくしているのである。だから、それは現実ではなくて、記憶の中の世界なのである。簡略化され、省力化され、象徴として記号化された印象の、記憶の世界なのである。

戻る。           続く。




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