index < 日誌 < ap理由。< 「見えるもの」p8 |
さて、光の強弱と明暗、そしてその連続的な変化とグラデーション、さらに陰影。そして、それでもって表現される「線と面」。これがもののカタチというものである。 線とは、空間の歪みであり裂け目であって、それが集まって何かのシルエットとなり、輪郭となる。そして、これが閉じると何かの区切り線であり、内と外を区別する境界線となる。この場合、「閉じる」とは、自己と他者を区別する境界線の、囲いの中を意味している。 そうやって「面」が現れてきて、なにかのすがたとなる。面とは、その中に何かを含む境界であり、外の世界とは異質な原理や秩序、事情といったものの存在を暗示している。だから「面」なのである。そして、それが色なのである。内の世界と外の世界を区別する境界面なのである。ここには表面的な外の世界とは違う、内の世界があるということを暗示している。 色とは、内なる世界が、外の世界に向かって映し出されたものである。カタチにならない抽象的な原理とか質、理由といったものが、外の世界に向けて中から映し出されたものなのである。 |