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3、感覚のリズム。



もっとわかりやすく言うと、色彩と明暗の豊かな諧調(範囲と深度)、およびその調和のリズムがそうである。たとえば、実際に見ているものが、なんの意味もないものであっても、諧調といったものが豊かにあふれていて、なにかの模様をなしていると、それだけでなぜか、なんとなく、わけも理由もないのに、たのしく感じられてくることがある。

なぜ、そう思えてくるのかは、自分でも理解できない感情なのである。それはもしかすると、自分の祖先の記憶の世界にのみ存在する、象徴の世界を見ているのかも知れない。祖先の記憶が、自分自身の肉体の生理作用の仕方として、そのリズムとして保存されていたのである。

今の自分は、そうした自身の生理のリズムしか知らないのに、しかし、それを通して間接的に祖先の記憶の世界を見ているのである。それは何かしらの暗示と象徴の世界なのである。

しかし、そうしたことは、見ることだけでなく、聞くこと、触れることなどについても、同じことがいえるのである。

戻る。          続く。




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