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6 一体のもの。



このような、情緒的傾向の特質といったもの、こうした情緒のバランスといったもの、
そうした情緒自身の調和のカタチといったものが、すべての、ものごとの判断基準となっている。

そしてそれは、感覚的で生理的なものなのである。自分を支配し方向づけている、無意識の世界である。自分自身の内部にあって、それが導き指向する必然性と
なっているものである。自分のことなのに、自分ではどうにもならない世界なのである。

感覚も生理も、本来は同一のものであって、一体のものである。それは、外の世界に対していえば感覚なのであって、肉体の内部の世界に対していえば、生理ということなのである。

いづれにしても、意識とか思考とは別のものであって、それでいてなおかつ、木や石や空気のような自然のものでもなく、そしてまた、意識というのが全く届かないという世界でもない。そうした外的自然と内的精神のちょうど中間に、独立して存在する「領域」なのである。これが、感覚の、感覚に対する感覚のことなのである。

戻る。            続く。




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