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2、心のすがた。



感情といったものは、憎しみや、恨みや、喜びや、祈りといったものは、はじめから最後まで人の姿で現れる。あるいは、日々のどうでもよい暮らしとか出来事といったものは、記憶に残ることもなければ、夢に出てくることもない。もちろんそれが、何か特に意味のある象徴となっている場合などは別であるが。

そして反対に、意識せざる心地よさとか嫌悪感といったものは、雲の中とか、花園としてイメージされてくる。それが夢の世界である。人間の姿はほとんどでてこない。それは、感情というよりも、情緒の世界なのである。

だからやはり、人間の感情といったものは、人間の姿と表情でもって表現されるしかないのである。それらは、自分自身の心のすがたを映し出しているのである。間接的にではあるが、自分で、自分の精神の姿を見ているのである。それは、自意識であり、自分のなかの心のあり様を見ているのである。自分で自分の心の中をのぞいて、見つめているのである。だからやはり感情は、人のすがたが最もそれにふさわしい。

戻る。             続く。

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