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それだけではない。それら全体が何のの規則も、秩序も、整合性もなく、従ってまた、なんらかの特徴をもとに、統一的に把握するといったことが出来ないのである。共通する特徴となっているのは、明暗の違いというだけで、色そのものが無いということと、同じ模様がいつも一つも無いこと、そしてそれらが時間的に変化し続けていて、そしてまた、空間的に無限の広がりと奥行きを持つ、ということである。要するに、つかみどころがないということである。 さらにまた、閉じた目の中に見える映像というものが、輪郭というのを持たず、姿にもカタチにもなっていないことである。それは、なにかの姿カタチではなくて、あいまいでぼんやりした、とらえどころがなく、予測もできない模様として見えてくる。そして時間的にも無限に変化し続けている。 だからそれは、「まだら模様」なのである。輪郭を持たず、とらえどころがなく、予測もできず、常に変化を繰り返しながら、移ろいでいる。そうしたありさまが、色のない明暗の濃淡だけの「まだら模様」なのである。それ以外にないとさえ思えてくるのである。 色が無いのは、個性がないということであり、境界なき明暗だけの世界というのは、YesかNo、有り無し、内と外の、そうした区別、自分と他者の区別が存在しない世界だということである。何一つはっきりせず、定まることのない世界なのである。 同じ明暗だけといっても、稲妻・カミナリといったものは、光と闇の区別がハッキリしていて、その中間といったものがない。しかし、何もない夢の中で見る明暗は、この濃淡の中間だけであって、それらの間に何の区別も存在しないのである。 |
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