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4、強制力。



人間の最も自然な姿とは、それは自然のままの、つまり、自然なままの出生を基にした自分の居場所であり、生き方であり、上下関係である。いいかえると、統治と強制力のあり方・システムである。

思考を停止した世界では、自分というのを客観的に見ることが出来ない。自分自身の考えや、自己意識といったものが存在しない。そうした世界では、自分の生き方や考えといったものを決めるのは、自分以外の者、すなわち「権威」であって、ほかの言い方をすると、なにも考える余地のない、自然なままの上下関係といったもので、すなわち、ここに家父長制に基づく王朝支配が現れる。ヨーロッパ古代の王朝がそうである。そしてまた東アジア儒教世界がそうである。現在もそうである。

ここに言うところの家長たる父親にも、本来の意味での、自分の考えや、自己意識といったものは無い。それはすべて、権威に基づく他人からの受け売り、コピーである。これが人々の頭脳の思考回路と思考パターンのすべてなのである。だからまた、家長が家長たり得るためには、自分以外の者に権威の強制力を求めるしかなく、それが、帝(みかど)なのである。(日本では天皇といっている)

戻る。             続く。

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