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8、コネ。



だからまた、法律、道徳、礼節といったものが厳密に区別されることがない。それらすべてに感情がからんでいる。感情と情緒がそれらすべてに優先している。

法律は個人の外からやって来るものであるが、本来の、道徳や礼節は、個人の内面から発するものである。ところが、この内面といったもの、自己意識といったものが限りなくあいまいで、ぼんやりしていて、自覚されることがないのである。とすれば、道徳や礼節といった、本来、自己の内面に属することでも、外から、法律などと一緒に入ってくるしかない。

これがまさに、意識されることのない感情と情緒が支配する世界なのである。なにも悩むことのない、考えることもない、もっとも自然な自分のあり方なのである。つまり、日本社会の根本原理としての、談合とコネはなくならない。それはこれからもずっと続く。

それは日本の風土に根ざし、風土と一体となった日本社会の暗黙の常識、公序良俗、正義なのである。そして、それはまた、東アジア社会特有の特徴であり、日本社会の根本原理なのである。それは日本社会が指向し続ける方向性、風土的特性とでもいったものなのである。

戻る。             続く。

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