index < 日誌 < ai原理< 「カスミの世界」p8/


 
7、排除。



自分が何かを感じるというのは、外からの刺激であって、それを自分自身の経験と記憶でもって、それが何であるかを自分なりに考えて判断するということである。残念なことに、そうした過程がどこかで切断され欠落している。心のなかで抜け落ちていて、ブラックホールのような落とし穴になっている。自己同一性のどこかが完全に欠落している。

それは、だれも気づかないし、見ようともしないし、見てはならないものなのだ。だから、つとめて気づかないふりをしているし、知らないように務めているのである。そうするしかないのである。それを「知る」ということは、システムが定めたレールから逸脱することを意味するからである。

世間から見捨てられる。袋だたきにあって排除される。隔離・破壊・抹殺されるか、完全無視されるかである。これでは生きて行けない。収入が閉ざされる、そしてそれ以上に孤独にさいなまれ苦しむことになる。「生きて行けない」とは、このことである。だからそれは、気づいてはならないことなのである。気づくことが無いのである。自分自身の心の中の、どこかを欠落させたままで生きて行くのである。

戻る。              続く。

index < 日誌 < ai原理< 「カスミの世界」p8/