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11、シアワセ。



自己意識のない所に、精神の苦しみが宿る場所などないのである。と同時に、真のよろこびも、自分自身の真実の姿(すがた)といったものもない。

そんなもの、要るものか。疲れるだけだ。災いと呪いと祟(たた)りのタネだ。自己意識というのが、災いと苦悩の根源なのだ。すべての喜びと苦しみの源なのだ。本当の喜びは苦しみのないところに存在し得ないのである。

精神はこの世のすべての苦しみから解放された。生きるも死ぬもそんなことはどうでもよいことだ。そう思えて来るし、そうやって生きている。なにもかもが自分の思いのままで、気まぐれと、自分の都合だけで生きて行ける。自分の情緒のおもむくまま、感情だけで生きている。あとさきは何も考えずに、今いるこの場所、このときだけに生きている。


戻る。             続く。

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