index < 日誌 < d無意識<「続、ぼやける」p16/


 
13、残酷。



このような、ぼやけてぼんやりした自己意識の欠けた社会にあっては、気まぐれな野蛮さと、無意味な残酷さが重要な意味を帯びてくる。別の、言い方で表現すると、暴力と命令と恐怖である。それ以外に、人々を結びつける強制力がないからである。

自己意識のないところに内在的なつながりなどなく、それを結びつけるものとしては、暴力的な強制しかないからである。何一つ制約されることのない、気ままで自分勝手な、気まぐれだけが支配する世界にあっては、それを抑えて制御し統合するものとしては、暴力的な強制しかないからである。

気まぐれと感情だけが支配し、なんの因果関係も、原因と結果のハッキリしたつながりもありようがなく、そうした理由も意味も曖昧なぼんやりした世界。そうしたなかで、唯一、重要な意味をもてくるのは、その無意味な残酷さでである。肉体的な残酷さだけが確かなものだからである。それは、意味なき残酷さであればあるほど、重要な意味を増してくるのであって、無意味であること自体に重要な意味があるのである。


戻る。             続く。

index < 日誌 < d無意識<「続、ぼやける」p16/