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何の目的も理由もないところでは、喜びや悲しみ、苦痛や残酷さといったものも、その内容から言えば、何の意味も持ちようがなく、そうだとすれば、その無意味さ、意味の無いところにこそ、最も重要な意味があるように思えてくる。 無意味であること自体が、無意味であるほど最も価値あるものとされるのである。それは残酷さにも、そのまま言えることであって、残酷であるということ、残酷それ自体が価値があり、意味あるものとされる。「残酷」といったもの、際限のない恐ろしさ自体が、目的となり、理由となるのである。 世の中の出来事や、行為自体に何の意味もないのだから、その行為そのものに「理由」であると思えてくるのである。だから、野蛮で残酷で恐ろしいこと自体が、そうであればあるほど、価値と大きな意味を持ってくるのである。 理由なき支配隷属の関係を知らしめ、それを確かなものとし、それへの隷属を正当化するものとして、また、それを象徴するものとして意味を持つからである。そうしてのみ、意味なきことが意味を持つにいたるのである。 |
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