| index ＜ 日誌 < d無意識<「続、ぼやける」p16/ |
| 人間は意識せざる社会の枠組みとか原理、秩序の世界を生きているのであって、これがまた、現実に生きている人間の生き方や感じ方といったもので、すべては始めから条件づけられ、制約された枠組みのなかで方向づけられ、秩序づけられている。 それは、感覚器官のそれぞれにとっても、まったく同じことが言えるのであって、たとえば、自分の目がなにを見、なにを見てはならないか、あるいは、自分の身体が何に触れ、そして触れてはならないかというのは、あらかじめ定められているのである。あるいは。そのようにシツケられるのである。 それは人間の持って生まれた感覚器官の、形式的・物理的・空間的な仕組みでもありうるし、先天的な感覚の機能そのものの中にもあるし、あるいは、この世に生まれてからの自分の経験によって得られることもあるし、親やまわりからのシキタリや常識、礼儀や作法、シツケ（躾）によることもある。 あるいはまた、権威という法律や道徳の強制力によるものもある。いずれにしても、感覚といったもの、その感じ方や考え方といったものが外からやって来て、人々を支配しているということである。 |
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