index < 日誌 < o四季 < 「ふやける5月」p13 |
まったく実に忌まわしく呪わしい。精神が自分で自分を見つめ続けているのだ。まるで他人のように。もしかすると、現実に生きている自分というのは、もともと他人なのかも知れない。この他人を通して僕は、自分というのを表現しようとしている。真夜中、一人っきりの部屋で、鏡のなかの自分を見つめているようなものである。 それが目に見えないカタチとなって、心の中に現れている。イメージでもコトバでもなく、そういうのを無視して、もっと直接に精神のなかに入って来ている。情緒の裂け目から、それとは全く異質の別世界の住人が、僕を支配しようとしている。 |
index < 日誌 < o四季 <「ふやける5月」p13