index < 日誌 < o四季 < 「ふやける5月」p13 |
5月のこの緩みっぱなしは、風と空気と太陽の、そしてその穏やかで優しげな気候から来ている。自分の肉体というのが、外に対しても、自分の肉体に対しても同じようになんの緊張感も感じられないのである。何かを感じる以前に、その感じるという境界が無いのである。 外の世界と内なる世界。外の現実と、自分の精神の世界。そして、その境界線上にある自分自身の感覚といったものが、なんら刺激というのを感じないのである。自分の内と外の区別がなくなっている。 外の世界の気候、空気や風、気温、そしてその変化のリズムといったものが、なんの抵抗もなしに、そのまま自分の肉体の内部に入ってきて、そのまま素通りして、出たり入ったりしている。自分の感覚の境い目といったものが、あいまいになって、外の世界と浸透しあって、混じり合って仲良く溶け込んでいる感じだ。何の抵抗もなしに。 |
index < 日誌 < o四季 <「ふやける5月」p13