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イヤ、むしろ、そんな象徴などという、おおげさなことではないのかも知れない。ただたんに異和感を覚えるのである。象徴というのは、客観的で、だれもがそうと認めるような、そんなものである。そういうのではなくて、もっと個人的な、自分にしか分からないような、そんな予感とか直感というものなのである。 何かがそれとなく暗示され、求められていて、それが現実の世界では、何か違ったカタチで現れているのである。だから、自分にしかわからないのである。そうして自分が、どこかの別世界の住人のように思えてくるのである。自分だけが、もともと根本的に違っていると思えてくるのである。そしてその別世界を現実の中で見てしまう。現実の世界に生きているにもかかわらず、それとは異質な別の世界を現実のなかに見てしまうのである。 |
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