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2、歴史。



歴史の必然性は、過去の出来事から確かめる事もできるし、認めることもできる。そして、それと知ることも出来る。というのは、現実においては、それが思考の論理的なつながりとして意識されるからである。

そして、それは同時にまた、自分自身の固有な傾向と特殊な方向性を制約し条件づけるものとしての、自分自身の存在の仕方そのものを示している。すなわち、このような意識自体がすでに自分自身の存在の仕方を表明している。また、自分という実体をも表現している。

つまり、自分自身の精神のカタチとシステム、すなわち、自己の同一性といったものは、現在ここにあるというだけではなくて、過去においても存在し、そして未来においても、そうであり続ける必然性なのだ、ということである。ということは、自己のカタチといったものは「変わる」ということである。変わらずして生き残ることは不可能である。それは変化しつつも、同一の必然性を原理として保ち続けるということなのである。


戻る。             続く。

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