index < 日誌 < c信じるもの< 「システム」p4


 
2、セット。



媒介するだけであるから、社会は上と下だけの関係となる。圧倒的多数を占める、社会の中間に位置する者は、自分自身に自律性を持たないので、常に下の者を必要とする。下の者に対する差別と抑圧だけが、これら中間層の存在の前提となっている。中間層が中間層たり得る条件となっている。

中間にいる、また、「普通」であるという意味は、このことである。それは、ある意味で犯罪的なのである。それは社会全体の文化や伝統、常識をも巻き込んだ集団的・社会的犯罪行為であって、だれもがそうだから、だれもそれに気づくことがなく、それが当り前の、当然のこととして常識となっている。しかし、やはりそれは犯罪なのである。

言い換えれば、だれも見ていない、誰も知らないし、誰にもバレなければ何をやっても良いということである。自分を省みるといった事、自己意識がないという事、自分自身の考えを持たないというのは、このことなのである。従ってまた、いつまでたっても、そうした自分に気づくことがなく、気づく必要もなく、そしてまた、気づいてはならない社会なのである。

そして、こうしたシステムを成り立たせ、存続し続けるためには、差別と抑圧が必須の前提となる。だから、どこでも王様(皇帝)と平民、そして被差別民が必ずセットで用意されている。そのうち、どれか一つでも欠けると、システムとして成り立たないのである。


戻る。            続く。

index < 日誌 < c信じるもの< 「システム」p4