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うすぼんやりと、それでいて色あざやかに。まるで何かの制御できない衝動のように。白い背景の中から現れてくる。それがまるで自分自身の息吹きや、リズムや抑揚、タマシイの音色(ねいろ)となって、見る者の心にひびいてくるのである。 見る者もまた、それを感じ、生み出し、自(みずか)らの精神の内部でそれを作り出し再発信しているのである。そして、そうした春の山野の情景といったものは、実はまた、自分自身の情感や精神のあり方そのものだったのである。 しろ色というのが、春を彩る情景の空気の白さ、すべての彩(いろど)りの背景となっている、この薄ら白い空気のカスミの色が、ボクはずっと、ずっと気になって仕方がなかったのである。 気になるというのは、自分の精神の中で、なにか引っかかるものがあって、そんなわけもわからない何かが、ときおり、どうしようもなく、心の中をよぎるのである。まるで何かの暗示とか、予感のように。それでいて、その正体がわからないのである。 |
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