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3、カタチ。



しかしまたここから、民族をカタチ作っている型式やあり様、そしてその活動の仕方といったものが導き出されてくる。その自律的な秩序のあり方や原理、自律性や整合性といったものが見えてくる。それは個性であり、特徴といったものであり、そしてまた、これが自己と他者とを区別する異質なものとの、境界線となっているのである。

この境界線、自己と他者を区別するこの境界線こそが、自己の精神のすがたなのである。いわば、境界線を持つに至った自己の精神の領域を示しているのである。そしてまた、これが人格であり、プライバシー―であり、人権と言われているものなのである。それは、自己の原理、自己の内的必然性の及ぶ精神の領域を示している。

それは自分というのが、自分自身の内的必然性の原理によって存続する、自己同一であり続ける主体であるということである。そしてこれが、自分自身の精神の領域なのである。こうして自己の精神は、他者と区別される明確な境界と、そのカタチを示しているのある。


戻る。              続く。

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