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5、自律性。



それは、あらかじめ肉体という、自分ではどうにもならない、物理的条件のうちにすでに与えられているものであり、条件づけられ、定められ、規制され、方向づけられている。それは存在の型とかパターン、様式といったもので、自分が自分である限り、変えようのないものである。なぜならそれは、自己の存在の原理、自己が自己であり続ける内的必然性から導きだされるものだからである。

そして常に何かを求め、導かれ、予感し、追い立てられながらも、自分にとっての新たな現実を作り出している。そうやって自分をたしかめ、生みだし、継続しているのである。自己が同一であり続けるのである。そうやって、自分が自分であり続けるのである。そうやって他者と区別される、自己同一であり続ける主体たり得るのである。

そうしたことが、存在の指向性として現れている。内的に自立した必然性や自律性として方向づけられている。それは、時間的にも存在する自己の同一性なのである。自分というのは、自分自身の姿カタチだけでなく、その時間的な変化の歴史のなかにも存在している。現実から離れた精神の領域にも自分自身は存在するのである。


戻る。             続く。

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