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もう一度、念押しする。 人間は、時間の流れの中を生きていて、人間も世界も移り行く時間の流れの中の一場面に過ぎず、そして、その場面場面ごとをつなぎ合わせて、時間の流れのなかで見てみると、なにかしら「傾向」があって、何らかの指向性を持つものとして見えてくる。 この「指向性」という視点からすると、暗さから明るさへの移行という冬から春への季節の移り変わりは、人間の感じ方から見れば、明るさや鮮やかさといったものをより強く求め望むものであると共に、人間自身にとっても、それを強烈に印象するものである。そして、記憶のなかでもそのように思えて来る。例えば、同じ気温でも、夏より春の方が暖かく感じられるのである。 こうした方向性や「指向性」といったものは、システムそのものの歴史的で論理的なカタチであって、合理性でもであって、人間が空間という現実に存在する以上、それは何らかの意味を持たざるを得ないのである。 システムや、その仕組み、あるいは必然性といったもの、あるいはその原理といったものは、すべて論理的なカタチを持つものであるが、それは空間的・物理的にもそうだし、時間的・歴史的な変化のカタチとしても表現される。 むしろ、このような時間的な変化こそが、カタチのなかの内面にある必然性と原理を、見えるものとして表現するのである。カタチの変化のない時間というは存在しない。変化こそが時間の概念だからである。 |
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