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それは誕生と復活、そして自己の発見と再生の場面なのである。そしてそれを象徴し、その中で自らが生きている瞬間なのである。それは、驚きであり、ためらいであり、そして予感である。それは、象徴であり、祈りであり、願いなのである。 それは、日本列島の自然と風土、その豊かな水と日光、そして、四季がもたらす心の風景なのである。それを、春カスミの薄ら白い空気の中で、私たちは見ているのである。 だからこの薄白い空気のカスミは、自分自身の情緒の世界であり、自分が生まれる前から条件として背負わされている、感性とか感受性の傾向そのものなのである。 それは意識されざる自分自身の感覚の世界であって、数千数万年にも渡って蓄積され、定着し、カタチ作られて来た、自分自身の肉体の記憶なのである。何かを感じる以前に、肉体自身が持っている、肉体そのものの記憶なのである。 |