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それは人間が何かをやっていて、ふっと気を抜いた時、気分転換のためにふっと顔を上げた時、そうした情緒の途切れたときに、偶然に目に入って来る。目の前の現実ではなくて、それとは遠く離れた向こうの世界を見ている。今いる現実とは直接の関係はないが、どこかでつながっているであろう、遠い向こう側の世界を見ている。あるいは、これからの自分の明日を見ようとしている。それ以外に見えると言えるのは、何もない。 今いる自分にとって分かること、知られていること、必要なこと、そうした現実にないもの、少なくとも空想でしかないものしか見えてこないのである。しかしまた、人間にとっては、こうした空想もまた必要なことなのである。それは現実にないもの、自分にとって必要であるはずの、何か未知のものを見ているのである。 こうしたことが気分の転換点、あるいはそうした情緒の途切れた瞬間、息苦しさやめまい(目眩)として感じられてくるのである。原因も理由も不明のままである。なぜなら、それは自分にとってみれば未知のもの、非現実の世界だからである。 |