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3、成り行き。



しかし、注意しなければならないのは、こうした場合、人間は「顔を見上げる」のだということである。真上に見える青の天空を見上げるのは、意識した意図的な動作である。でないと誰もこんな不自然な疲れる姿勢を取らない。それをするのは何か目的やワケがある場合に限られる。

しかし、地平線を見るのは、ワケも理由もない。こうした場合、人間は無意識に見ているし、また目にも入ってくる。何もしなくても、ふとしたことで自然に目に入って来る。

人間が歩く、作業する、生活するといった場合、それはたいてい目の前の目的動作に係わることなのであって、それと関係のない、遠くの地平線を見ようとすのは、ほとんどない。そうした場合、たいてい無意識の内に自然に目に入ってくる。そして気づくのである。これが自然な成り行きというか、無意識の情緒の世界といったものである。気を抜くとか、一息ついたときにふっと目に入ってくるのである。


戻る。            続く。

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