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日本列島は山が多く、平地というのが非常に限られており、このような複雑な地形から、人間の住むことの出来る生活空間といったものが、非常に限られたものとなっている。この限りある狭い空間の中で、その有り余る豊かな水と日光を利用して、人力を集中投下することによって高度な集約農耕を達成してきたのである。それは技術などではなく、職人の技、技能として受け継がれて来たのである。 作付単位面積当たりの収量を異常にまで高め、また、水と日光の豊かさがそれを可能にもしたのである。それは、日本列島に生きる者にとってみれば、そうするしか無かったのである。そうやって生きて行くしか無かったのである。そうしてのみ、家族を養ってゆくことが出来たのである。 そしてまた、それが、人口過多の状態を作り出し、どうにもならないこの空間の物理的狭さとともに、そこに暮らす人間同士がひしめき合って暮らして行かざるを得ない状況を作り出して来たのである。それは、同時にまた、そこに生きる者にとっての発展の方向性というもの、現実に生きて行くことが出来る可能な指向性といったものを示している。傾向や特殊性を示している。 |