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6、あいまい。



このことを、誰よりもよく知っているからこそ日本では、セクハラが後を絶たないのである。彼らはみな、ずる賢いだけなのである。日本全体が共犯者である。誰もがみな、共犯で連帯している。何もかもがそのように仕組まれ、そして誰もがみなグル(仲間)なのである。だからまた、罪に問えないのである。だれもがごく自然に、当たり前にやっていることだからである。

そうやって、個人というのが押し殺され、窒息されて行く。そして、消えて、失われて、周りに同化して、精神の自立を喪失してゆく。精神そのもののなかに、自分と他人の区別が無くなっている。そして、このような現実を誰も不思議に思わないし、当然のことと思い込んでいる。

これがまさに、以心伝心の世界、情緒という空気が支配する、集団的な共有意識の世界なのである。個性がない。自分の考えも無い。人格やプライバシーといったものが有るのか無いのか曖昧でボンヤリしたままで、いつまで経ってもハッキリしない。言葉とか議論とか理性ではなく、集団としての情緒と感受性がすべてに優先している。とっても曖昧で、わけの解らない世界なのである。


戻る。              続く。

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