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それでも面白いというか、不思議な一面もある。自分が思っていることや、感じている心情といったものを、人知れず他人にも思ってもらえるということに、この上ない嬉しさを感じるという、そんな心のあり方である。 日本人は感情というのを、自分の心の中にしまい込むことが出来る人間なのである。それを周りの人間も知っていて、気をつかったり、思いやったりするのである。 要は、そうしないことには、この狭い日本でひしめき合って生きて行けないのである。ひとりでも騒ぎ出すと、全体がパニクルのである。だから、だれもそのことをよく知っていて、互いに気を遣うのである。 感情をしまい込むというのは、反面、そうやって心情や感情といったものが共有されるのである。また、そうやって孤立を防ぎ救済されるのである。また、そうしないことには社会が破壊されてしまうのである。対立といさかいだけが残ってしまうのである。だから気をつかう。言葉には出さなくても、以心伝心でそれをみんなで共有しようとするし、また、それが出来る人間なのである。 |