index < 日誌 < z自意識、< 「はじめ」p8/ |
自分の考えよりも、その場の情緒とか雰囲気が優先される。習慣や、だれもがやっている通りにそれに合わせて、何も考えずに、集団の空気と感情のなかで、自分というのが確かめられ、意識される社会である。と同時に、生活である以上、それは絶えることなく継続され保持されて行かなければならない。人間同士の上下の関係とその強制力がそれである。 日本語では、情緒のことを「空気」と言い表すことが多々ある。自分たちを支配しているのは、この「空気」だというのである。しかし、その意味するところは、自分を内部から支配し、突き動かしている本能や衝動といったもので、そうしたリズム、五感のアンサンブルなのである。要するに、情緒を意味している。 情緒とは、この地を数千年にわたって生き続けて来た祖先の、感覚と生理作用、そして仕草などの、彼らを取り囲む自然環境が彼ら自身の身体の中で最適化され、パターン化され、型式化された神経と生理作用のリズムなのである。だからまた、情緒は、そこに住む人間のライフスタイルと密接に関係していて、というよりも、情緒はこの現実のライフスタイルから来ていると言える。 |