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それは人々の意識の届かない世界を支配している原理とでもいったもので、なにげない、どうでもよい日常の様々な行動が意思決定の根底にあるのである。そしてまた、それらを支配する舞台となっている無意識の世界なのである。 あらかじめ設定され、仕組まれ、最適化された現実の生活が観念化されるのである。つまり、思い込みの世界なのである。そうやって自分で納得し、了解し、理解し、そしてまた、自分自身を安心させて正当化してゆくのである。自分自身に疑惑をいだく、などといったことがないのである。それは耐えられないことなのである。 日本の政治や経済・社会のシステムの根元にあって、それらすべての底を流れる一貫した秩序の共通性、そしてそれらが指向する共通の必然性と、同一の原理から来ているものなのである。 日本という民族の文化的一体性、そしてその歴史的に一貫した継続性から来ているものなのである。そしてまたそれが、日本という民族の気質や気性の特徴なのである。他の民族と比べたときの、際立つ特徴として認められるものなのである。日本人のアイデンティティーそのものなのである。 日本におけるこのような、いわば、文化の「型」とでもいったもの。集団的協調性と、思いやりと気づかいの世界で、そうした我を忘れた集団のなかで自分自身の心の拠り所を見い出している。安心と安らぎと、そして自分自身の本来の姿を見ているのである。自分が何よりも、「信じることが出来るもの」を見い出しているのである。 |