index < 日誌 < u列島< 「生理」p15/ |
これらの特徴は、日本という閉じた文化的・社会的領域にあっては、そうするしか無かったのである。好き嫌いといった好みに関係なく、そうする以外に仕方が無かったのである。そうすることが社会を維持し、保存してしてゆくことだったのである。それ以外に無かったのである。それは、日本という「風土」が生み出した必然だったのである。 そしてまた同じことだが、これが、日本という社会を成り立たせ、生み出している原理なのである。文化的・社会的な必然性であり、それ自身が持つ内的指向性であり、そして、それが制約し条件付けた方向性なのである。まさに、このような舞台の上に、日本という文化と社会が成り立ち得たのである。 日本には有史以来、独裁者が現れたことが無かった。中世の織田信長は、独裁者を願い独裁者に成った途端、暗殺された。有史以来の最大の危機であった、先の大戦でも、ついに独裁者が現れることがなかった。日本という社会がそれを拒絶している、あるいは、それに馴染めず、そぐわないシステムなのである。独裁者は日本の原理と合わないのである。 |