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6、排除。



反対に、これが集団的な人間関係になると、そうした傾向が一変する。180度変わる。つべこべ言わない。集団の協調性を第一として、あっさり、きっぱり、いさぎよく、まとまる。誰もが自分を捨てて、まわりのみんなに合わせる。

それは色彩感覚にもよく現れている。派手な色を誰も好まないのである。むしろ、めだつようでめだたない、淡い色を好む。強烈で鮮やかな色は、むしろ避けられる。言葉の発音にしてもそうだ。発声のリズムに高低長短・抑揚といったものがなく、平坦で、だれが聞いてもわかりやすく、感情が外に出にくい発音もそうである。

要するに、集団の中で波風を立てたがらないし、個性とか自分の考えを主張したがらないし、それより先に協調性を求めるのである。こうした中にあっては変化はあり得ないし、異質な者や変わった者、別の者は存在し得ないし、仮に生じたとしても、すぐにつぶされるか追放される運命にある。

要約すると、人間関係としての集団の中にあっては、自分自身の個というのを押し殺し続けて協調性を優先し、気配りと思いやりに終始する。と同時に、異質な者を排除、または無視、あるいは破壊する。


戻る。            続く。

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