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自然との関係。つまり、個として自然と向き合うときは、異常なまでの執着とこだわりを見せる。器用で神業(かみわざ)的な名人芸や職人芸が発達する。これがまた、日本における「個」というものが現れる場面となっている。内思考的な技術者というよりも、実践的・実際的な職人、現実的な技能者なのである。 そうした生き方、感じ方というものが、物とか自然との関係に非常によく現れている。そしてまた日本の自然は、そうした個人が求めるもの、望むものに対して、とてもよく反応して答えてきたのである。 日本列島という自然は、人間が働きかけをすればするほど、それによく答えてくれる。それ以上によく答えてくれる。そして、それに働きかける人間もまた、それに合わせて研ぎ澄まされ、こうした自然と一体になってゆく。 地形が複雑で明瞭な四季、そして豊かな水と光。そうした変化に富む自然は、そこに生きる生物にとって、臨機応変な対応能力が要求されるのであって、こうした自然が求める変化に実践的・現実的に対応出来る者が、自然からより多くの恵みを得ることが出来る。また、そうでないと生きて行けない世界なのである。 |