index < 日誌 <f衝動< 「異人種」p6/ |
自分で自分が分からなくなり、自分がだれなのか、自分が今どこにいるのか分からなくなるのである。確かに、自分が誰でどこにいるのかというのは、だれでも簡単に教えてくれる。たしかにその通りで、それがそうだということは、だれよりも僕自身が一番よく知っていることなのである。 にもかかわらず、それが信用できないのである。納得できないのである。なによりも、その「理由」が見つからないのである。そこにきっとあるはずの、そこにしかないはずの、私自身の理由、私の意味といったものが、そこに見つからないのである。 他人から、「これが、あなたですよ」と言われているだけで、それがホントかどうかという、もっとも大事なものがそこに見つからないのである。確めることが出来ず、知ることも出来ず、納得も出来ないのである。 自分の「理由」が見つからない以上、自分が自分であるという証明にはならないし、自分がだれなのかもわからないし、自分が自分であるという確信も、自覚も持てないのである。すべてが目隠しされたままの状態で、他人からムリヤリ押し付けられている、作り話のように思えてくるのである。 |