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2、指向性。



数々雑多な様々な種が、自分の都合だけで生き、暮らし、営まれている。それらが営まれ機能している動機や要因となっているのは、自己を保存し継続するという指向性である。

しかしそれは、外から見るとそのように見えるというだけであって、それをその内部から見ると、それは偶然にしか見えない。ただ生きて行くために、なりふりかまわず活動しているのである。それは生きている当事者本人からすると、何もかもが偶然でしかない世界である。

しかし、あるいはまたそれを、第三者がシステムの外からながめて見ると、必然としか言いようのない世界でもある。「必然」とは、何らかの指向性であって、まるで何かの意志の力によって導かれているように見えるのである。

しかしそれは、実は、外から見ている者の都合なのである。システムを外から見ている者が、自分の都合、自分が求めるもの、のぞむもの、自分の目的や必要に合わせて、システムの中をのぞき込んでいるのである。

だから、そのようにしか見えないのである。だからまた、システムの中が何か必然性を持った、目的とか指向性を持って動いているように見えるのである。なにか意思をもった生き物のように。何かを目指しているようにも見えるし、思えてもくるのである。


戻る。             続く。

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