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まるで機械仕掛けのような、ワンパターンで単純な、わかりきった感覚。柔らかい硬い、熱い冷たい、痛い、かゆい、明るい暗い、などといった感覚。このような単純で直接の感覚とは別の、区別しなければならない異質な感覚もある。よく似てはいるが別の感じ方である。人間が内面で感じる感覚である。センスというのかも知れない。 気持ちよい、感じよい、おだやか、優しい、落ち着く、憂うつ、気が滅入る、などといった感覚は、なにかしらの情緒を含んでいて、自分の外の世界を暗に示していて、自分とは別の相手(ないし対象)の存在をうかがわせるものである。そしてこの相手との関係の中で自分の感覚を感じているのである。たいてい、気づかないままではあるが・・・。 こうした、外の世界に対する感覚が自分の精神の中で修正され、加工されて感じられてくるのである。他の言い方をすると、外の世界が、心の中で反射して映し出されてくるのである。だから、この場合の感覚は、自分自身の精神に対して関係を持たない同時的関係でも、直接的な関係でもない。また、一次で完了する単純な、痛いとか、熱い、冷たいなどといった感覚とは別ものである。これは、感覚の感受性であり、固有のセンスなのである。 |
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