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しかしまた実際には、人間は、もう一つ別の世界を生きている。情緒の世界である。これを職場の関係でいうと、業務という定形的なあらかじめ定められた物理的・「空間」の世界、そしてそれを指揮・統制している「社会的」な上下関係という世界、そしてさらに、自分自身という個人的で内面的な「情緒」の世界が存在することになる。理性や習慣、常識とは別の、個性の世界を生きている。固有の感情や感覚、感じ方や感受性の世界を生きている。 だからまた、言いたいのは、このような「情緒」の世界というのは、人間が計画して用意した職場のレイアウト、あるいは他の言い方をすると、社会のシステムと必ずしも一致しないということである。それは、もともと別の世界なのである。 なにから何まで考えつくされ、設計されながらも、それが必ずしも正しいものとは限らない、ということである。あるいは、それが正しいとしても、自分とは合わないということがある、ということである。 人間は自分でも意識されることのない情緒の世界を生きている。それは理屈でも論理でもない、自分の肉体の生理作用と感覚が生きて機能する、現実の世界を生きているのである。それら、空間も社会も情緒も本来、一体のものなのである。それは自分自身の肉体の機能の仕方、反応や感覚の感じ方から言ってもそうなのである。 |
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