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4、カタチ。



人間の目が見える許容範囲を超えたところにある、明るさ暗さの共存。目が識別できる許容範囲を超えた明るさ暗さは、一律に白っぽいマブしさ、あるいは暗い闇の中のように見える。どちらも、何も見えないのである。映画館とか暗いトンネルを出た直後がそうである。

あるいは、明るい屋外から映画館とかトンネルに入った瞬間がそうである。一時的に、瞬間的に人間の目の許容範囲を超えてしまうのである。つまり、一瞬なにも見えないのである。目の中で見えるのは真っ白なマブしさか、真っ暗な世界だけなのである。 

これは人間の目の感覚器官の特性や特殊性、そしてその見える範囲や深度といったもので、そうやって、人間の活動の行動範囲を定め、限定し、方向づけているのである。そしてまた、この限定された範囲を超える領域については、よく見えないし、気がつかないし、また、見えるということがないのである。

こうした感覚器官の特性から、それから逸脱するものについては見えることがないし、気になることも、気づくこともない。それは、感覚みずからが指向してきた進化の方向、あるいは本能といったもので、感覚そのものが本来持っている機能や仕組み、そして構造から必然的に導かれる傾向といったものである。

そうやって感覚そのものが本来もっている、感覚の範囲、特性や方向といったものが定形化し、パターン化し、最適化され行き、それがくり返し反復継続する過程でカタチとなって現れてくる。目に見える現実の形(カタチ)として固定してくるのである。目の構造や機能、そのサイズやカタチとして現実化してきたのである。

それは、人間の現実の肉体がそうである。人間がもつ骨格や筋肉、臓器、それに神経や生理作用のパターンがそうなのである。そして、人間のそうした現実のカタチが、人間の生き方や、その活動の仕方やパターン、行動の範囲や内容といったものを、あらかじめ定め、制約し、方向づけてきたのである。あるいは、事前に設定してきたのである。


戻る。             続く。

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