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2、感覚。



それは深い底なしの罪の意識の中から生まれた復活と再生の、希望の象徴なのである。このような、他人に対する思いやりや気遣い、そして自分自身に対する良心の自覚なしには、人間集団としての職場の人間関係は成り立ち得ないのである。それは、意図された業務のレイアウトとは別の世界の、「レイアウト」なのである。

業務上の指揮命令系統や管理体制や身分上の上下関係、そして組織としての身分秩序といったもの。総じて、そうした業務上の人間関係といったものが、いかに精密に考えぬかれ、意図され、計画され、合理的、かつ機能的に設計されたとしても、ただそれだけでは、組織としての人間集団は成り立ち得ず、維持することも継続することも出来ないのである。人間社会というのが、成り立たないのである。ではいったい何が欠けていて、なにが求められているのだろうか?

「情緒」である。理屈でも言葉でもなく、それ以前のところで人間を支配し動かしている、「情緒」である。人倫というキズナでもなく、それ以前のところで、それを成り立たせ、条件付け、そしてまた、その前提となっている、人間的な「情緒」である。感情や思考以前の、感覚の世界なのである。


戻る。            続く。

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